私は現在、大学の通信教育学部4年生。
41歳で大学へ入学。現在44歳、2児の母、職業はフリーランスのデザイナー。
入学当時は、上場企業正社員フルタイムの社会人でした。
予定では、来年の3月に卒業予定。
私が入学を決めた時、家族や親は言いました。歳なんだから、子どもがいるんだから、仕事しているんだから、何を今さら、、、?などと。
ですが、人生に悔いを残したくない。まだ体力のある40代。10年先延ばしにしたらもっとしんどくなる。諦めたら悔いが残る。。。そう思って、(大学の入学を)強行突破しました。

大人になってから大学へ入学した理由

私は18歳で、私立文系4年生大学へ入学しました。そこで絶望に近いものを感じました。
大学へは、勉強しに行っているのではなくて遊びに行っているようなもの。
サークルや飲み会の勧誘が凄かったし、肝心の講義も教室が広すぎて、ほぼ後ろの席で勉強している人はおらず、後からノート交換。選択授業も身に入らず。なんで大学へ行っているのか、意味がわからないまま時間が過ぎて行きました。
勉強は何のためにするのか、親の大事なお金を使って、私は大学へ遊びに来ている?
悩んだ末、退学しました。

今となってはわかります。勉強していなくても、大卒という資格があれば、就職しやすい。大企業に入ったら、大卒と高卒ではスタートが違う。出世スピードも違います。
なのですが、当時の私にはどうしてもあの生活を4年間続けることは到底無理で、学歴なんて、必要ない、社会は実力世界だ!という気持ちもありました。相当世間知らずだったと思います。

本当に反省しました。
大学は学校名ではなく、自分の学びたいことを決めて選び、進学するものだと。
もちろん、大学名で就職の際に学歴フィルターをかけられるという話も聞きますが…あながち間違ってはいない気がしています。

それから、私はアルバイトを転々とし、やりたかったデザインの専門学校へ行きました。
卒業して、デザイナーになりました。
その後、ご縁があって大企業に就職しました。そこでは、名だたる大学を卒業した人ばかりが働いていました。出身大学が定年まで名札のようにつきまとっていました。「あの人、〇〇大卒だから、さすがだね〜」とかいうふうに。高学歴の人は早く出世していました。(必ず全員がというわけではありませんが)
そこでは15年ほど働きましたが、専門学校卒はほとんどおらず、学歴の大切さを学びました。

お金を学歴は、あっても邪魔にならない。
そう誰かが言っていたのを思い出します。
はい、お金がいくらあっても、どんなに高学歴でも、どんな職業につく時に全く邪魔にならないのです。

大学では、自分の学びたいことをより深く学んでいく場だと改めて感じました。
私は、大学を決める段階から軽率に行動していたため、自分のやりたいことを当時は見つけられず、というより美大の進学を希望していましたが、周りの大人達からの「今から無理に決まってる」というようなことを言われ、簡単に諦めてしまったため、このような結果になってしまったのだと本当に反省しました。

私は、芸術やデザインに高校生の頃から興味があったので、それを深く学びたいと思いました。
学歴コンプレックスもあったし、大卒の資格を(取れる環境にあったにも関わらず、自ら手放したことを後悔し、)取り戻したかったということもありました。

例えば、取りたいなと思った国家資格の受験条件が、大卒以上であったり
働きたいと思った会社の応募条件が、大卒以上であったり
このようなことが大卒の資格があれば解決します。

今日よりも自分の人生で若い日はない、卒業までに約4年はかかる。
そう考えると、一日でも早い行動が必要だと思いました。

入学当時の状況

大学に入学したときは、41歳でした。フルタイムで会社に勤めており、子どもが3歳と年長の保育園の時でした。
入学金や授業料は全て自分で払いました。会社員のボーナスを全部自己投資に使ったという感じです。
通信教育学部なので、昼間よりも学費は安かったです。(4年間のトータルで昼間の4分の1くらいです。)
仕事から帰ってきて、家事育児を終わらせた後、夜に勉強するといった感じです。
入学前に事務局の方にいただいたアドバイスでは、平日毎日1時間、週末に3時間ずつ勉強するのが目安だと言われました。
当時は、不安で勉強する時間がなかったらどうしよう…。卒業できなかったらどうしよう…。不安で仕方がありませんでした。しかし、不安があるから最初から諦めたら、卒業はできない。そう思って半ば、「えいやっ!」という気持ちで入学しました。

通信教育学部とはいえ、夏期と冬期にスクーリングという学校に直接通って対面で授業を受けないともらえない単位があります。仕事を休まなければならない期間がどうしても出てくるので、直属の上司に大学へ行く旨は伝えました。(ほぼ事後報告ですが)

スクーリングは、3日間連続で行われ、時間は朝の9時半〜18時10分まで。
通学生が半年かけて学ぶことを、たったの3日間で学ばなければいけないので、この3日間はかなりハードです。さらに、他の授業も受けるとなれば、スクーリングの時期はほぼ毎日学校へ通うことになります。

私はまだ、家から近い学校を選んだので良かったのですが、県外から受講している人も多数いたので、スクーリングのためにに1ヶ月間ホテル暮らしという人もいました。

とはいえ、3日間連続の授業が続きになっていて、(〇〇①、〇〇②というふうに)できれば、続きで①②を連続で受けた方が理解も深まるし、早く単位が取れるのです。なので、実質3日間連続×2がワンセットとなっている状況でした。つまり6日間授業を受けるのが基本となります。
もちろん、都合が悪くて①と②を分けて受講することも可能なのですが、スクーリングは夏期と冬期にしか開催されていないため、半年ほど長引くことになります。
こういう状況もあり、1週間丸々会社を休んだこともありました。
上司に事情を話しているとはいえ、肩身が狭かったですし、周りにも迷惑をかけたなと思いました。

通信教育学部で学ぶ学生はどんな人?

スクーリングへ行くと、普段は家で勉強している人たちが教室に集まり対面で会うことになります。
はじめてのスクーリングでは、20名ほどが一つの教室に集まり、授業を受けました。
本当にさまざまな人がいました。自分は40歳を過ぎていましたが、私より年上の人もたくさんいましたし、中には現役の18歳の学生もいました。主婦の方、定年した方、昼間から通信へ転部した18歳の学生、などなど年齢や職業はとても幅広いです。

私は、芸術大学だったので、職業もそういう関係の仕事をしている人が多かったです。
イラストレーターやプロダクトデザイナー、WEBデザイナーの方がスキルアップのために通っていたり、フリーター、専業主婦の方なども頑張って授業を受けていました。

中でも多かったのが、教職免許を取りに来ている人達でした。
すでに他で大学を卒業しているのだけど、教職免許だけを取る過程(科目履修生)があり、そういう人たちも頑張っていました。年齢的には若い人が多かったですが、40代〜50代の方も教職免許目指している人もいました。教育実習も行かないといけない、ということを考えるとその年齢で教職免許を目指すということにとても勇気をもらいます。

勉強時間と卒業の目安

肝心の勉強の方ですが、私は入学してから1年ほどで会社員を辞めてフリーランスになりました。会社員時代は、全くといって良いほど勉強時間が取れなかったです。取れるとしたら、家事育児が終わった午後10時以降。オカンの体力は限界です。このフラフラの状態で勉強はできませんでした。
もともとフリーランスになろうと準備をしていたこともあり、思い切って辞めました。
そうすると時間の余裕がだいぶできたので、平日1時間ほど勉強時間を確保できました。勉強といっても、履修している科目のレポートを仕上げていく作業になります。
私は、社会人経験が20年近くあり、デザイン系の仕事もしていたので、レポートはわりとすんなりと書けて、Aをもらえていました。自分の専門分野だと勉強も進んでいけますが、これが全く違う分野の勉強だともっとつまづいていたかと思います。

スクーリングではない時期は、ひたすらレポートや課題を仕上げていく期間にすれば良いかと思います。夏期と冬期のスクーリングはハードすぎるので、スクーリングに集中せざるを得ません。さらに、スクーリングの受講条件として、課題の提出や課題の合格など科目によって条件が設けられているので、早めに取り掛かることが重要です。(課題の合格が間に合わず、スクーリングを受けられなかったこともあったので。。。反省)

スクーリングとは?どんな感じ?

スクーリングは、夏期と冬期に実施されます。通信教育学部の生徒も実際に学校に通い、対面で授業を受けます。
朝は9時半〜夕方の18時10分まで、みっちり1日授業を受けます。これを3日間のワンセットで受講します。3日間のうち1日を欠席したら、単位はもらえずにまた次回のスクーリングで、3日間受けなければいけません。遅刻や早退も単位認定に響きます。(先生や事情によります。)
授業の4分の3を出席していると、一応成績はつけてもらえるそうです。

3日の授業は、本当に濃く勉強になることばかりで、必死で追いつきました。現役のデザイナーが先生だったりするので、現場の話なども教えてくれて、面白かったです。
ただ出席するだけでは単位はもらえません。真剣に授業を聞いて、課題の提出、レポートの提出、プレゼン、授業によっては、挙手して発言しないといけません。
私が18歳の時に受けていた大学の授業とは全く違い、みんなとても真剣でした。
社会人で大学に来ている人は、やっぱり自分の意志で来ているし、授業料もきっと自分の働いたお金で払っているから、より真剣になるのだと思います。

スクーリングは、平日の3日間の時もあれば、土日月や金土日という3日間もあります。
会社員時代は、土日を含む日程のものを受けて、子ども達は母親に見てもらっていましたが、母親からの視線が痛かったです。子どもを預けてまで今やることなの?子どもとの時間も大事でしょう?みたいな感じ。。。母も高齢だし、申し訳なかったなと思っています。さすがに9時〜19時くらいの間10時間を2日間も見るの大変だったと思います。。。
主人は当時はサービス業だったため、土日はいませんでした。
ベビーシッターや、土日もやっている保育園を探しましたが、19時まで預かってくれるところがなく、母に頼んでいました。ここらへんが、一番辛かったです。

フリーランスになってからは、平日子どもたちを保育園に預けて授業を受けていました。
主に平日に開催される3日間の授業をとっていました。母や家族に迷惑をかけていないので気が楽でした。

子どもがいる人もたくさんいました。スクーリングの時に子どもはどうしてるのかと聞いたら、未就学児〜小学校低学年くらいまでの子どもだったら、やっぱり保育園や親に預けてきている、といっていましたし、小学校中学年〜高学年以上になると、お料理を教えてお留守番してもらっていると言っていました。

社会人大学生、通信教育学部で友達はできる?

昼間の通学生に比べて、スクーリングの時期にしか学生同士が会うことがないので、がっつり大学の友達ができる、という感じではないです。
私は今4年ですが、1、2年生の頃は全く友達も知り合いもいなかったです。同じ授業を受けてもその場では話したりしますが、会うのも1回きりで、次にあっても期間が空きすぎて全然覚えられませんでした。

3年くらいになってくると、専門過程の授業が多くなり、同じ授業を受ける人が増えてきます。あの人前もいたよな?みたいな感じになって、顔を合わせていくうちに話すようになって、課題のこととかも話したりして、少しずつ仲良くなっていく感じです。
先生が気遣って、友達(学友)は大切だから、この授業で一緒になった人とお昼ご飯を一緒に食べたり、ライン交換して帰ってな、といってくれたりもしました。
学年が上がると、1クラスの人数もグッと少なくなります。(専門過程だからか、途中で辞めてしまう人がいるのかは分かりません)
それで、顔見知りも増えてくるといった感じです。

私も4年くらい通って、やっと会えば話したり、課題の相談したり、色々と話せる人が何人かできました。通信教育学部は、普段孤独なので、スクーリングで会えた時に人と話して情報を共有したりするのってとても大事だと思います。

卒業に向けて

現在4年生で、卒業までに必要な単位は残り28単位/124単位中。順調にいけば来年の3月に卒業できそうですが、何かの事情でスクーリングが受けれなかったりすると、また半年先延ばしになります。
3月で卒業できるように、頑張ります!

こんな条件(40歳過ぎて、2児の母)の私でもここまで来れたので、大人になってから大学へ行こうかと迷っているのでしたら、すぐに入学した方が良いです!今日が一番若い日なので。。。
ただ、家族には感謝してもしきれないくらいです。家族の協力があったからこそ、ここまで来れたと感じています。たくさん苦労させてしまったり、迷惑をかけてしまったことを考えると、卒業しないわけにはいきません。これから卒業制作など一番大変な授業と課題がありますが、最後まで諦めず絶対に卒業できるように頑張ります。